精神分析的精神療法と精神分析
精神分析的精神療法と精神分析

 このページを見て下さっている方は、きっと心に何かを感じ、重くそれに思い悩まされているのでしょう。それゆえに、それをどうにかしようと対処する手段を懸命に探されているのだと思います。

 当クリニックは心を専門とする医療機関です。心の病には様々な種類のものが存在します。病によっては、薬物療法が必要なもの、薬物療法にてコントロールが可能なものがあります。そうした病には、きちんとした薬物療法がなされる必要があります。しかしながら、薬物療法ではどうにも対処できない。そうした心の病も存在します。あるいは、薬物療法もある程度は効果があるけれども、心の重たさはなくならない場合もあるかもしれません。

 100 年以上前に、精神科医だったフロイトという人が、無意識を発見しました。人の心には、自分では知り得ない領域が存在し、それを無意識と呼んだのでした。この無意識によって、人はさまざまに影響されます。何故か分からないけれど、腹が立ったり、気持ち が沈んだり、思ってもみない行動をとってしまったり、身体に症状が現れたりといった形で気がつかれます。また、そのような現れ方だけではなく、大事な人との関係が上手くいかなっかり、心が苦しくて考えられず破壊的な人生に向かっていってしまうことが起こ ってくることもあります。そして、どんどんと悪循環にはまっていってしまうのです。このような無意識領域に手が届く手段が存在します。それが、精神分析といわれているものです。

 精神分析とはフロイトによって開発された治療手段ですが、当初は週に 6日、一回 60分の設定で、継続的になされていました。臨床的、学問的発展から、現在では一般的に週4日以上、一回45分以上の設定のものを精神分析と呼ぶようになりました。こうした設定 のものであれば、パーソナリティそのものを取り扱うことが可能となります。しかしながら、時間的、経済的な制約があるために、それほどの頻度の治療は受けられないという方が大半だと思います。そうした方には週3回以下の精神分析的精神療法が提供される場合 があります。この場合は、パーソナリティそのものの変化を期待できるような精神分析ほどには、心の深い部分に接触することは難しくなります。それでも苦しさにどう向き会っていくかについて考えるきっかけは与えてくれることでしょう。

 こうした精神分析的精神療法を当院では、精神科医や精神分析家が行うことが可能です。また精神分析家による先進分析も提供ができます。全額。保険診療では賄えませんので、一定の予約料をいただくことになります。さらに、誰にでもこうした治療手段を使えるわけではありませんので、そのためのアセスメントが必要となりますし、その判断によっては受けられないこともあります。ですが、一人ではどうにも苦しくて、生きづらすぎると感じられている方は、一度ご相談してみてください。どのような形での治療が提供できるかについて、一緒に考えることが出来ると思います。

                                         精神分析家 小波藏かおる


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